イベント【第2回コロキアム<10月30日> 開催報告】. 根来龍之研究所所長
ELフォーラム登録者各位 2003年10月30日(木)に、早稲田大学国際会議場にて、第2回コロキアム さて、今回の催しの内容を要約すると以下のようなものでした。 1.畑村洋太郎(工学院大学教授・東京大学名誉教授) 「失敗学のすすめ」
「失敗」が簡単には避けられないものである。しかし、失敗を技術的な側面だけでなく、心理的な側面、経営的側面など立体的に捉えること、失敗の結果だけでなく失敗の脈絡についての知識の伝達を図ること によって、失敗の発生確率を下げることができる。いずれにしても、「失敗をマイナス面からだけ見ず、プラスに転化する」努力が必要である。
2.寺本義也(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授) 「戦史に学ぶ“学習する組織”のあり方」
第二次大戦の日本軍の敗退は、戦車部隊の発達に対応できず、「白兵銃剣思想」に拘ったこと、つまり技術の変化に対する学習が遅れたことが大きな原因だった。「学習する組織」は、アンラーニング(学習の棄却)を行うことができなければならない。
3.パネルディスカッション「経営者の視点から考える情報システムの失敗と成功」 パネラー:谷島宣之(日経BP社ビズテック局開発長)、木内里美(大成建設情報企画部長)、
小坂武(東京理科大学教授) 司会:根来龍之 谷島氏からは「経営者のIT理解の重要性」、木内氏からは「システム設計に先立つ業務プロセスと情報の可視化の重要性」、小坂氏からは「情報システムの組織的側面の理解の重要性」について問題提起があった。根来は、「柔軟に変化できる情報システムは、業務の基本構造に対応したデータ構造については変化しなくてもよいように作ることで可能になる」と主張した。
今回のコロキアムは全体として、「失敗」について多様な視点から考察・理解する機会になりえたと思います。 |
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